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女言葉は絶滅した? 女性語の行方


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大和撫子は、もはや死語?

かつては「大和撫子(やまとなでしこ)」という言葉がよく使われていました。

男尊女卑の文化を反映してか、私の父親も、

「女は黙っとれ」

「女のくせに」

などという言葉を、よく使っていました。

昭和は「女は3歩下がって着いてこい」という時代だったのです。

そんな中、女性は女性らしい女言葉を使うのが美徳とされていたところもありました。

ところが、現在は事情が大きく変わってしまったようです。

「てよだわ言葉」は絶滅危機!

言葉の男女差は昔からあったのかと思いきや、意外も意外。女性語が登場したのは明治時代以降だそうです。

ウィキペディアによると、次のように記述されています。

現代の日本で一般的に女性語として認識されている言葉の起源は、明治時代に有産階級の女学生の間で発生した「てよだわ言葉」である。「よくってよ」「いやだわ」などの言葉の流行は、当時は「異様なる言葉づかひ」などと文化人の非難の的になったが、結果的には中流以上の女性層で定着し、規範的な女性語として扱われるようになった。

アニメ「ドラえもん」のしずかちゃんや、「ラブライブ!サンシャイン!!」の黒澤ダイヤや、「干物妹!うまるちゃん」のシルフィンの言葉遣いなどは、この「てよだわ言葉」から来ていたのですね。

さらにウィキペディアでは次のような説明を続けています。

1980年代頃からは、男女ともに「だよ」「だね」「じゃん」といったユニセックスな言い回しが好まれるようになり、「てよだわ言葉」の流れをくむ女性語は中年以上の女性が用いるほかは、オネエ言葉に誇張された形で残っている。

一時期、流行っていた女性語は1980年代から急速にすたれ、江戸時代に男女の言葉差がほとんどなかったように、現代も男女の言葉差がほとんどなくなったようです。

女性はどんな会話をしている?

堅苦しい話を続けてきましたが、実際、女性がどんな会話をしているのか気になる男性諸君も多いと思います。

スタバで小耳にした会話をもとに、女学生同士の会話を書き出してみます。

(スマホ片手に)
A-コレ見て、この動画。
もう、やばいで。笑ってもうた。
この人知らん?

B-知らん。オシャレ系の人?

A-ちゃうちゃう。
こっちはニュースやねん

B-むっちゃ勉強になるやん!
昨日、学校で発表ちゃんとできた?

A-むっちゃ緊張したわ。
クラスに、シゲ君(※仮名)ているやん?

B-いるいる

A-シゲ君て声小さくない?
発表するときとか、声が聞こえへん。

B-もっと堂々としたらいいのに。

A-聞いてて、ハラハラするねん。
でも、一番まともに部活行ってるん、シゲ君やな。

B-シゲ君て、3人きょうだいの一番下やねん。

A-そうなん?

B-1番上と2番めがお姉ちゃんやて。
めっちゃ、似てるらしいで。

A-それってどうなん?

B-顔が似てるの、どうしようもないやん。
そんなんイヤやって言っても。
でも、仲良しみたいやで。


こんな感じで、女性同士の会話でも、文章の語尾は男と特に変わりません。

女性らしい言葉は絶滅したのか?

では、女性独特の言葉は絶滅してしまったのでしょうか?

いえいえ。

希少種になったとは言え、わずかながら残っているようです。

「私」という言葉は、男である「私」も書き言葉や相手次第で使いますが、上記の女性の1人は「あたし」という言葉を使っていました。

現在活動休止中の「いきものがかり」の聖恵の言葉もいつも「あたし」でしたね。aikoなども「あたし」という言葉を使っています。

「私」はユニセックスな言葉ですが、「あたし」は女性語と言っていいでしょう。

また、女性らしい言葉は今や主語だけにしか残っていないのかなあ、と上記の2人の会話に小耳を立てていたら、

「それって、困るもん」

という言葉が聞こえてきました。

おぉぉぉ! 女性語がまだ生きていました。

これは、かつて「アタックNo.1」の「だけど涙が出ちゃう 女の子だもん」や、「キューティーハニー」の「だってだってなんだもん」で耳にした、「~もん」語尾です。

シーラカンスのごとく、現代にも残っている女性語に妙に感動した瞬間でした。



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